海外のきょうだい
支援の紹介

アメリカ

The Sibling Support Project

Sibshop(シブショップ)というきょうだい児のための支援プログラムを開発したDonald・Meyerさんが創立者で、シブショップを全米に広めることを主目的に1990年に設立されました。シブショップとはシブリング(きょうだい)のためのワークショップという意味の造語です。もともとは8歳から13歳までの、障害児のきょうだいを対象にしていますが、もう少し幼い、あるいは年上の子どもたちにも応用することができます。また、病児のきょうだいを対象としたシブショップも行われています。基本が8歳から13歳なのは、子どもの発達段階から言ってこの年齢幅ならば、集中力や物事に対する理解力に大きな差がなく、どの子もプログラムを楽しめるからという理由からです。 最初のシブショップは1982年に行われ、現在はアメリカだけなく、カナダ、グアテマラ、コスタリカといった中米諸国、ニュージーランド、日本などにもあります。シブショップのファシリテーターになるためのトレーニングがきょうだい支援プロジェクトを講師として実施されており、日本では、2001年に最初のトレーニングが行われ、その後2005年、2008年、2019年と行われました。 シブショップには5つの目的があります。1 障害児(特別なニーズのある子ども)のきょうだいがリラックスした楽しい雰囲気の中で、同じ立場の仲間と出会う機会を提供する。2 障害児(特別なニーズのある子ども)のきょうだいによくある悩みや喜びを仲間と話し合う機会を、きょうだいに提供する。3 障害児(特別なニーズのある子ども)のきょうだいがよく経験する状況に仲間がどう対処しているかを知る機会を、きょうだいに提供する。4 障害(特別なニーズ)のある兄弟姉妹がいることで起こる様々なことについて知る機会を、きょうだいに提供する。5 障害児(特別なニーズのある子ども)のきょうだいによくある悩みや得がたい経験について理解を深める機会を、親や専門家に提供する。 日本のシブショップ認定団体は以下のとおりです。(五十音順)・明石市肢体不自由児者父母の会(兵庫)・あみーごクラブ(仙台)・うぇるしぶ(オンライン)・亀田Sibshops(千葉)・かるがも花々会(東京)・聞こえないきょうだいを持つSODAの会(全国)・きょうだい会Sirabe(群馬)・きょうだい会SHAMS(栃木)・京都こどもきょうだい会えるも(京都)・しぶたね(大阪)・横浜きょうだい会(神奈川) 詳細については、アメリカのきょうだい支援プロジェクト、日本のきょうだい支援を広める会のサイトをご覧ください。 

オーストラリア

Siblings Australia

Siblings Australia は、1999 年にアデレードの Women's & Children's Hospital の心理医学科の Kate Strohm さんによって設立され、2003 年に独立した団体になりました。Kateさんがアメリカ滞在中にアメリカのきょうだい支援と出会ったことがきっかけです。 行っている事業は以下のとおりです。 ・SibWorks障害のある兄弟姉妹を持つ 8 歳から 12 歳の子どものためのピアサポートプログラムです。Kate Strohmさん が心理学者の Monique Nesa さんと協力して作成したこのプログラムは、心の健康とレジリエンスを高め、同じ経験をしている他の子どもとつながることで、きょうだいをサポートするように設計されています。15 年間、SibWorksは主にシブリング・オーストラリアと選ばれた少数の専門家によって運営されてきましたが、2022年に大幅な見直しと更新が行われました。そして、正式なファシリテーター・トレーニングが開始されました。 ・SibAware(専門家向け)きょうだい達が自分たちの特有の状況を理解してくれる組織を見つけ、つながりやすくするために作られた全国規模の認定プログラムです。また、この制度により、組織は、認知されていないあらゆる年齢のきょうだいへの支援に対する認識を高め、支援を提供することができます。 ・SibWise(親、きょうだいに関わる支援者向け)SibWiseのオンライン学習プログラムは、きょうだいのニーズや課題をよりよく理解し、対応することを支援します。このコースでは、兄弟姉妹をより良くサポートするために必要なツールを提供します。様々なシナリオ、ビデオコンテンツ、多くのヒントやツールを通して、保護者や専門家はきょうだい児によくある課題、メンタルヘルスのニーズに応える行動、今すぐできる小さな行動などを学ぶことができます。コースを通して、親と専門家の両方の視点を見ることができます。各グループの戦略案を見ることは、親と専門家が一緒に働くことをサポートするために有益だと考えています。 ・one-on-one support(親または大人のきょうだい向け)経験豊富な シブリング・オーストラリアのスタッフが、個々の状況に合わせて相談支援を行います。 そのほかにも、年間を通して様々なトピックを取り上げてウェビナーを開催しています。 詳細については、シブリング・オーストラリアのサイトをご覧ください。

イギリス

Sibs

シブズ(Sibs)は、障がいのある兄弟姉妹を持つ子どもや大人を支援する団体で、Monica McCaffreyさんが2001年に設立しました。子どものきょうだい、大人のきょうだい、両親、専門家のために情報提供、サポート、およびトレーニングを実施しています。 ・子どものきょうだいのための支援7歳〜17歳までの、障がいのある子どものきょうだいを対象としたオンライン情報サービスです。子どものきょうだいをサポートするのを助けるために、専門家を養成したり、学校のスタッフをトレーニングしたり、きょうだいの支援に関する親や専門家向けの情報を提供しています。特に、Siblings in School Project が特徴的で、Sibs Talkを含む学校との連携に力を入れています。 ★Sibs Talk とは?学校のスタッフがきょうだいに使用する1対1のサポート介入です。きょうだいの幸福と学習への影響を改善することを目的としています。活動の小冊子にはきょうだいがスタッフと一緒に取り組むための短い10個のセッションが掲載されています。多くの学校には、きょうだいの経験が原因で学校生活に問題を抱えている生徒がいます。 Sibs Talk は、きょうだいが学校と相談し、学校がこれらのきょうだいをサポートできるように特別に作成されています。 Sibs Talk は、2017/18 年にイングランド中の小学校で試験的に実施されており、Warwick大学はSibs Talkが参加した生徒に肯定的な結果をもたらしたことを発表しました。 ・大人のきょうだいのための支援きょうだいのためのピアサポートグループのネットワークを運営しています。また、障がいを持つ兄弟姉妹のための将来の計画やケアの管理などの問題に関するガイドを作成したり、きょうだい向けのワークショップやイベントを開催したりしています。 詳細については、シブズのサイト、滝島真優さんの論文「イギリスにおける学校と支援組織との連携による慢性疾患や障害のある子どものきょうだい支援の実際」をご覧ください。

フィンランド

Erityinen Sisaruus

慢性疾患や障がいのある子どものきょうだいに関する情報を提供しているウェブサイトです。きょうだいに近い人や家族と関わる専門家を対象にしています。 インタビューを通して収集したきょうだいの経験や両親の経験を紹介しています。また、このサイトは家族や専門家向けに、年齢や状況の異なるきょうだいにどのように対応すればよいのかのヒントなども継続的に掲載されています。 このウェブサイトはRinnekot財団の慈善活動の一環である「スペシャルシブリングプロジェクト」の助成によって作成されました。また、このプロジェクトは、フィンランド社会基金庁の助成を受け、発達障害者支援協会、Sylva、TATUと協力し、2015年〜2017年にかけて実施されました。 現在は、特別なニーズを持つ子どものきょうだい支援のためのガイドや、きょうだい関係における多様な役割を見直すためのロールマップなど、きょうだいに関する様々な資料が掲載されています。 子どものきょうだいのためのイベントや、大人のきょうだいのためのオンライン講座シリーズ、家族支援を行う専門家向けにきょうだい支援に関するオンライントレーニングにも携わっています。 詳細については、サイトをご覧ください。

アメリカ

全世界

Siblings with a Mission

2015年にNathanさんによって設立されたオンラインの国際組織です。アメリカを中心に、様々な国のメンバーが運営に関わっています。主に、以下の活動を行っています。 ・他のきょうだいの体験談を読むことができるオンラインストーリーコラム・兄弟姉妹の障がいについて学び、啓蒙活動を行う啓発コラム・きょうだいや家族が他の組織や資源と繋がることができるリソースセンター・同じような経験を持つきょうだいと交流できるビデオチャット・きょうだいが質問を投稿し、サポートを受けることのできるfacebookとフォーラム・スペシャルニーズの認知を広めるための情報記事・きょうだいや家族が、同じような経験を持つ仲間と出会い、専門家とつながり、質問し、サポートを受けられるワークショップなどの運営 詳細については、サイトをご覧ください。 

インド

SAARTHI Sibling Support Network

2019年に発足した障がいや病気のある子どものきょうだいを支援している団体です。 SAARTHIシブリングサポートネットワークでは、きょうだい達が直面してきたさまざまな課題についてコミュニティで共有しています。YouTubeでは、各テーマごとにきょうだいとしての経験や対談の様子が共有されています。(ほとんどが英語)また、Baatein Karo!というポッドキャストでは、主に親との関係についてのエピソードが更新されています。 詳細については、各SNSをご覧ください。InstagramFacebookYouTube